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1．相続人を確定する

不動産を相続する対象者が複数の場合、誰が相続するかを明確にしなければなりません。遺言書があれば記載された内容に沿って相続人を確定します。遺言書が存在しない場合は法定相続人の共有財産となります。協議によって不動産の相続人と相続割合を決めます。決定した内容を明確にする文書を「遺産分割協議書」と呼び、相続不動産の売却時に提出が必要です。

2．名義変更する

不動産を故人の名義から相続人の名義に変更することを「相続登記」と呼びます。相続人が一人なら単独相続となり、住宅や土地、預貯金のすべてを相続します。そのまま相続した不動産に住み続けることもできます。相続人が複数の場合は遺産分割協議書に基づいて遺産を分けます。方法としては、相続財産をそのままの形で分ける現物分割、住宅や土地を売却して現金に換えてから決められた割合で分配する換価分割などです。相続方法が決まったら、相続登記を申請して所有権を相続人に移行します。

3．不動産業者に売却を依頼する

相続登記が終了すれば不動産は売却可能になります。不動産を売却する方法には買取や仲介があります。

• 買取：不動産業者が対象物件を買い取る
• 仲介：不動産業者が買主を探して売却を仲介する

買取は不動産業者との売買条件の協議となります。そのため、売却までの時間が短く、現金化も早いのがメリットです。仲介は売主の希望価格で買主を探すことができます。多少時間がかかってもできるだけ高額で売却したい場合、仲介を選択したほうがよいでしょう。

4．売却

売却が決定したら売買契約を締結し、買主への名義変更を行います。その際に以下のような費用が発生します。

• 登録免許税：名義変更にかかわる税金…不動産価額×0.4％
• 印紙税：売買契約書に貼付する印紙代…2,000円～100,000円

譲渡所得税：売却益に課せられる税金（不動産の所有期間で税率が変わる）

所有期間	税率
短期譲渡所得	5年以下 30％
長期譲渡所得	5年超 15％

住民税：譲渡所得税と同じく、不動産の所有期間で税率が変わる

所有期間	税率
短期譲渡所得	5年以下 9％
長期譲渡所得	5年超 5％

復興特別所得税：令和19年まで上乗せされる所得税（一律2.1％）

所有期間	税率
短期譲渡所得	5年以下 0.63％
長期譲渡所得	5年超 0.315％

その他、不動産業者への手数料なども発生します。

相続不動産の売却で注意したいポイント

相続不動産の売却は一般的な不動産売買と比べても、さらに慎重に行いたいところです。売却時に注意したいポイントも事前に確認しておきましょう。

相続人の間で十分に話し合う

不動産を相続する際には共同名義となる場合が多く、後になって分割した金額などでもめ事になるケースもあります。査定の段階から第三者として信頼できる不動産業者に相談するのも一つの方法です。

税金などの経費を事前に確認する

相続不動産を売却する際には税金などの経費が発生します。税金は様々な控除や特例などにより節税対策が可能です。節税対策は売却側が申請しないと適用されないこともあるため、事前の検討が必要になります。

売却には時間がかかる

不動産売却は買取でも仲介でも一定の期間がかかります。また、税金の特例控除などは適用期限が設けられていることもあります。相続不動産の売却を検討している場合は、できるだけ早めにアクションを起こしましょう。